ストレスの数値化
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こんにちは。
Vérité Office リラクカウンセラー/人事労務コンサルタントの浅賀桃子です。
早いもので今年もあと20日あまりとなりました。
すっかり寒くなってきましたね。冬は特に、朝ふとんから出るのが少々億劫になりがちな私です・・・。
さて、2013年12月19日号の週刊新潮に「数値化もできる『ストレス』の最新科学」についての特集記事が掲載されています。
ストレスは目に見えるものではなく、知らないうちに溜め込んでいて・・・ということはよく聞かれますね。
そこで研究者の中では、ストレスを「数値化」しようという試みが以前より進められています。
この記事で取り上げられている「勤労者のストレス点数」について、今回はご紹介します。
1. 43項目のストレスチェック
まずは、だいぶ古いながらも現在も日本でのストレス度測定においてとりあげられている、1967年にアメリカ・ワシントン大学で発表されたこちらの表からご紹介します。
以下のライフイベントのうち、みなさん自身が過去1年間に体験したものの番号をチェックし、マルをつけてみてください。
43項目のチェックが終わりましたら、マルがついている各項目につけられている点数の合計を出します。
表中で「LCU」と書かれたところです(LCU = Life Change Unitの略)。
これが「社会的再適用尺度」の点数となります。
この点数合計によって、これから先2年間に病気になる確率がわかる、というものです。
気になる確率はこちら↓
みなさまはどうでしたか?
このチェックでは、「配偶者の死を100、結婚を50」とした場合、他の出来事がどのくらいストレスになるかを調査した結果が数値化されています(0~100点)。
もちろん、それぞれの出来事の重大さについての個人差が点数に反映されているとはいえないなどの問題点もありますので、あくまで参考点数(尺度)として、ご自身の状態の客観視にご活用いただければよいかと思います。
2. 勤労者のストレス得点
1.で取り上げた表ですが、
- 発表されてからだいぶ日が経っている(40年以上前)
- 調査の対象がアメリカであり、日本的ではない項目が含まれている (たとえば教会活動の変化、などは国民の8割がキリスト教信者とされるアメリカ的な項目のように感じます)
ことから、精神科医でもある夏目誠・大阪樟蔭女子大学教授ほか研究グループが1.の表を日本的なストレッサー(ストレスの素)へと追加・修正したものを発表しています。
日本の勤労者1630人(うち男性1322名、女性308名)に、65項目についてのストレス度合を調査したものの平均を示しています。
オレンジの項目が仕事絡みのもの、男女別の得点で赤く色がついているところは男女差が5ポイント以上みられた項目となります。
先述の週刊新潮の特集で掲載されている表も、今回こちらで載せたものの抜粋版となっています。
1.と同じように、過去1年間にご自身が体験した項目をチェックし、マルがついた各項目のストレス得点の合計を出してみてください。
そして、先ほどの確率にあてはめてみましょう。
確率はこちら↓
こちらの項目や点数もあくまで参考尺度ですが、点数の大きな出来事があったりいくつか重なるような場合は、休養を積極的にとるように意識するなどのコントロールをするだけでも、心身への負荷は変わってくると思います。
3. ストレスと上手に付き合うために
今回のブログエントリーでは、避けることのできないストレッサーと上手につきあっていくためにも、どのような出来事・変化がストレスとなりうるのかについて書いてみました。
2つのストレス表を見て不思議に思われた方もいらっしゃると思いますが、多くの方にとって喜ばしいと思われる、「抜擢に伴う配置転換」、「昇進・昇格」、「収入の増加」、「結婚」、「妊娠」などもストレスの得点として加点されています。
「配偶者の死」や「会社の倒産」という出来事はストレッサーとして容易に想像できると思うのですが、通常嬉しいと感じると思われるような出来事でも実は気づかないうちにストレスとして感じていることもある、ということが言えるでしょう。
ただ、ストレッサー(原因)は同じでも、それが実際にストレスとなりうるかについてはみなさま自身の物のとらえ方によってもだいぶ変わってくるところかと思います。
いわゆる「ストレス耐性」をつけるためのプチアドバイスはこちらのブログのほか、12月に開設いたしましたFacebookページメンタルヘルスサロン ソラナビの会でも週1~2回ペースでご紹介していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。